正月の食文化 -節日のまなくい- 2

同じく民俗学者瀬川清子も、柳田の問題意識をさらに掘り下げて、「東日本の正月肴の塩鮭も、西日本の塩鰤も、紀文大尽の蜜柑船に優るとも劣らない困難な行程をへて運ばれているのであるが、そうしてまでも節の日に魚を食わなければならない、という理由を考えてみる必要がなかろうか。こうした節日の魚食は、身体的栄養というよりは、むしろ、この吉日に魚を食わなければならない、という精神的栄養に属するものであろう・・・(中略)・・・節日のまなぐいは、もっともっと古い時代からの国風で、さし鯖や塩鮭が運ばれない古い時代にものし鮑や海藻などが、節供の魚の役をはたしていたもののようである」と述べています+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ
古代の律令制の時代、日本の各地から、鮑や鰹、鮭、鯛などが、都に向けて貢納されていました。これらは、もちろん輸送に耐えるだけの保存処理が施されていたことはいうまでもありませんが、食料としてよりもむしろ、神まつりの際の供物として欠かすことのできない食材でした(●´∀`●)/
今日でも、のしあわびや鰹節は、神饌や結納品などの祝い事に用いられますし、鮭は正月用の贈答品として、鯛は祭りを始めとするさまざまな祝い事の場面で供されることが多いことを考えると、こうした古代からの習慣や価値観が、現代になっても継承されていると考えることができるのです+゜。*(*´∀`*)*。゜+

 

参考資料
https://www.kibun.co.jp/knowledge/shogatsu/database/fish/index2.html